プロ野球

阪神・青柳はなぜ打たれる?粘られる、左を並べられる、ふてくされる…

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★この記事で分かること★

  • 阪神のエース・青柳のこれまでの成績・実績
  • 青柳が2023年に二軍に落ちた理由
  • 青柳がふてくされた表情を見せることの問題点
  • バッテリー変更で期待される青柳の変化

皆さん、こんにちは!けんた@ロスジェネ青春マガジン(@lost_gene_mag)です!

2023年、アレに向かって邁進中の阪神タイガース

投手陣は、大竹や村上など、昨年にはいなかった選手の躍動もあり、メンバーが替わりながらも、引き続き盤石の体制を維持しています。

そんな中、阪神ファンには、ちょっぴり気になることがあります。

それは、昨年までのエース・青柳の不振

今年は昨年とは一転、打ち込まれて早々にKOされたり、一時は二軍落ちしたりと、非常に心配な状況です。

本日は、元スポーツライターだった私が、阪神・青柳が、今年はなぜこんなに成績が悪いのか、考察してみようと思います。

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阪神のエース・青柳

阪神のエース、青柳。

アンダースロー気味のサイドスローで、強打者たちを手玉にとって、ゴロで打ち取っていくピッチャーです。

そんな青柳の阪神タイガースへの入団は、2015年、ドラフト5位

決して高い順位での指名ではありませんでしたが、阪神タイガースに入団し、2016年から一軍で登板するなど、頭角を現します。

2017年には開幕一軍を勝ち取ったものの、2018年は主に二軍で過ごします。

その後、2019年には先発ローテーションに定着し、初めて規定投球回数に到達。

ここから少しずつ安定感を増していき、2021年〜2022年と2年連続で最多勝・最高勝率を獲得

加えて2022年は最優秀防御率も獲得し、「投手3冠」の栄光を得ます。

こうして、青柳は、阪神タイガースのエースにふさわしい実績を残していくのです。

そんな青柳、2022年までの成績は次のとおりです。

勝敗 勝率 防御率
2016年 4勝5敗 .444 3.29
2017年 4勝4敗 .500 3.22
2018年 1勝1敗 .500 3.32
2019年 9勝9敗 .500 3.14
2020年 7勝9敗 .438 3.36
2021年 13勝6敗 .684 2.48
2022年 13勝4敗 .765 2.05

しかし…安定感を欠く2023年

しかし、そんな青柳、2023年は別人のようなピッチングになってしまいます。

開幕戦こそ勝利投手となれたものの、4/14の横浜戦では4回2/3を、まさかの5失点。

その後も5回持たずにノックアウトされる試合が続き、5月下旬、ついに岡田監督は青柳に二軍行きを命じます。

その後、2軍での調整を経て、7月11日の1軍復帰戦では7回2失点とまずまずの投球で、久しぶりの勝利を挙げます。

しかしその次、7月22日のヤクルト戦では、5回4失点と、再び試合を作れずに負け投手になってしまうのです。

2023年7月28日現在の青柳の成績は、3勝4敗、防御率5.36。

とても2年連続投手2冠、前年の投手3冠を誇る、阪神タイガースのエースの成績とは思えません。

なぜ今年の青柳は打たれるのか?

さて、そんな青柳ですが、当然2年連続で活躍したピッチャーですから、他チームも当然、研究を重ねて、なんとかして攻略してこようとするでしょう。

では、他チームは、青柳をどのように攻略してきてるのか。あるいは、青柳には、どんな弱点があるのか…。

そんなわけで、今年の青柳が打たれる理由を、いくつか考察してみました。

【理由①】きわどい球を粘られて球数がかさむ

青柳といえば、低めにボールを集めて、ゴロを打たせて打ち取ることでイニングを稼ぐピッチャーです。

いわゆる「ゴロピッチャー」と言われるものですね。

これまでは、力のあるツーシームとストレート、そしてシンカーを武器に、これらが低めに集まることで、青柳の力が発揮されてきました。

今年、2023年のピッチングも、基本的にはそのスタイルが踏襲されている…

のですが、今年は、その低めの球を、各球団とも慎重に見極めて、積極的に振ろうとしてきません。

そのため、球数がかさんだり、フォアボールになったりで、なかなかテンポの良いピッチングがさせてもらえなくなります。

今年は5回前後で降板するシーンが非常に目立ちますが、いずれも球数は100球前後に到達しています。

5回で100球を投げさせられているようでは、球数を厳しく管理されている近代野球の先発ピッチャーとしては厳しいものがあります。

ピッチングのテンポが悪いと、青柳のスタミナも削られますし、攻撃のリズムにも影響してきたりもしますので、チーム全体に悪影響を及ぼしてしまいます。

【理由②】左バッターへの苦手意識

一般に、

サイドスローやアンダースローのピッチャーは「右VS右」「左VS左」に強い

とされています。

これは、バッターにとって、球の出所が見えにくくなり、投手有利になるとされているため。

そこで、右のサイドスローである青柳と対戦するときには、相手チームとしては左バッターを並べるのがセオリーになります。

この傾向は2022年にも見られたのですが、2023年はさらに顕著に見られるようになりました。

ただ、2022年は、左バッターの外角低めに厳しく決まるツーシームやシンカーが効果的に使えていたので、なんだかんだ言いながら左バッターも一定抑えることができていました。

しかし、2023年は、先述のように、きわどい球を見極められるようになってしまったため、厳しめを狙う外角低めを、左バッターにことごとく見逃されます

そうやって球数がかさんだり、ランナーがたまったりして苦しくなったところに、少し甘めに入った球を痛打されて失点…

このパターンで崩れてしまったのが、5月19日、全員左バッターを並べられた広島戦です。

YouTube「虎バンチャンネル」より

【理由③】ネガティブ感情が表に出る

青柳は、比較的喜怒哀楽が顔に出やすい性格のようです。

それはそれで人間味があって、個人的にはとても素敵なことだと思うのですが、ピッチャーの場合、それがウィークポイントになる場合も多々あります。

とりわけ、青柳投手の場合、ネガティブな感情がすぐに表情に出てしまうため、平常心でいられていないことを相手打線に簡単に見抜かれます。

先ほど引用した5月19日の広島戦の表情も、これまた青柳のウィークポイントの最たるものと言えるでしょう。

こうなると相手の思うつぼで、「もっとイライラさせてやろう」と、感情的なゆさぶりもかけやすくなりますもの。

自らの投球に不満がある、審判の判定に不満がある…

いろいろな不満を持って、ふてくされた表情をしてしまうのは分かるのですが、

ネガティブな感情を、露骨に表情に出して、相手に付け入るスキを与える点は、青柳のメンタル面における最大のウィークポイント

だと思います。

【理由④】捕手・梅野との相性が悪い

そして、昨年と今年とで、最も大きな違いは、

2023年の青柳は、多くの試合で、梅野とバッテリーを組まされている

ということ。

2022年は、梅野とバッテリーを組むこともありましたが、坂本とバッテリーを組むことも多く、特に2022年6月に月間防御率0.00を記録したときは、坂本とのコンビで最優秀バッテリー賞を受賞しています。

2022年は、梅野と坂本、タイプの違う2人のキャッチャーと組むことで、ピッチングの幅にも広がりが出ていたものと想像されますが…

2023年は、前半戦ではすべての登板機会で、梅野とのバッテリーになっています。

梅野のリードは、基本的に強気で一本調子なため、ピッチャーの調子が良いときは良いのですが、そうでないときはメッタ打ちにあって大量失点しがち。

一方の坂本は、ピッチャーの調子に合わせて、丁寧なリードをする傾向にあり、技巧派ピッチャーとの相性が良いです。

ですので、青柳についても、坂本とバッテリーを組んでほしいと思っているのですが…

岡田監督は「正捕手・梅野」に強いこだわりをもっており、特に前半戦、青柳が先発のときに坂本を起用することはありませんでした。

後半戦では梅野の故障もあって、坂本とコンビを組む機会も増え、一時はそれで復調の兆しも見えたものの、結局シーズン終盤は、前半戦と同様のパターンで崩れてしまいます。

キャッチャーの相性だけではない、もっと根深い問題が、青柳にはありそうですね。

まとめ

以上、本日は、阪神タイガースのエースでありながら、2023年は明らかに調子を崩している青柳について、なぜ今年は打たれてしまうのかを、いくつかの視点から、考察してみました。

どんなに優秀なピッチャーでも、力の衰えや、相手チームの研究により、打たれてしまうときは来てしまいます。

とはいえ、青柳の全盛期を知る者として、まだまだ青柳の力がこんなものではないことは、よく理解しているつもりです。

青柳が今年打ち込まれている理由は、力の衰えというよりも、戦略面やメンタル面といったところが多いように感じます。

それだけに、キャッチャーの変更を通じて配球に変化を持たせてみたり、青柳自身のメンタル強化を通じてマウンドでタフな立ち振る舞いができるようになったり…

そういった「最後の一皮」をむけるための、あとひと工夫が必要なように感じます。

今年上半期を支えたピッチャー陣にも、そろそろ疲れが出てくる頃。今こそ、青柳が復活して、阪神タイガースを「アレ」に導いていくことが、期待されています!

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