★この記事で分かること★
- ベースの指弾きのメリット、デメリット
- ベースのピック弾きのメリット、デメリット
- ベースは指弾きとピック弾き、どちらが良いか
皆さん、こんにちは!けんた@ロスジェネ青春マガジン(@lost_gene_mag)です!
ベーシストは、「指弾き派」「ピック弾き派」の2つに、大きく分かれます。
本日は、ベース歴20年以上の私・けんたが、指弾きとピック弾き、どちらが良いかについて、いくつかの視点で、お話ししようと思います!
指弾きのメリット・デメリット
それでは、まず、指弾きの方から、メリット・デメリットを見ていきましょう。
指弾きのメリット①:音が柔らかくて優しい
まず、指弾きのメリットとして、一番特徴的なのが、この「音の柔らかさ」「音の優しさ」。
指弾きは、ピックのような硬いものではなく、指という相対的に柔らかいもので弦に触れますので、音も丸みの取れた、柔らかいものになります。
この音の柔らかさ、音の優しさに魅力を感じるのであれば、ベースは指弾き一択だと言って良いでしょう。
指弾きのメリット②:音の長さなどをコントロールしやすい
また、指弾きは、ピック弾きに比べて、音の長さをコントロールしやすいのも大きな特徴です。
特に、スタッカートのときなど、右手と左手を組み合わせて音を瞬時に切らないといけない局面において、指弾きの方が音価をコントロールしやすいです。
同じことをピック弾きでやろうとすることも、できなくはないのですが、やはり指弾きの方が細かいニュアンスの調整も含めて、扱いやすいといえるでしょう。
指弾きのメリット③:スラップへの移行がしやすい
ベースの花形である、スラップ奏法。
親指を使ったサムピング、そして人差し指等でのプルを組み合わせたグルーヴィーなフレージングは、まさにベースの魅力を遺憾なく発揮できるプレイです。
そして、このスラップもまた、親指や人差し指を使うという点において、指弾きの一種であるとも言えます。
スラップを曲中に取り入れる場合、ピック弾きからの移行はやはり難しいので、スラップを使う人は基本的に指弾きスタイルになるのです。
指弾きのデメリット①:速い8ビートには不向き
一般に、指弾きは細やかなニュアンスを出すのには向いていますが、早いフレーズを粒を揃えて弾くのは、相対的に苦手です。
特に、速い8ビートについては、指弾きで弾ききるのはできなくもないですが、ピック弾きで押し切る方が相性が良いと言えます。
指弾きのデメリット②:慣れないと音の粒が揃わない
これも先ほどの「速い8ビート」に通じるものがありますが、指弾きは細かいニュアンスがでやすいだけに、音の粒をしっかり揃える…つまり、均質化した音を並べるには、ある程度の慣れが必要です。
もっとも、のあたりは、慣れで解決できる部分もありますし、エフェクターのコンプレッサーを導入することで一定クリアできる面もあります。
こちらも、あくまで一般論ということでご理解ください。
ピック弾きのメリット・デメリット
それでは、続いて、ピック弾きのメリットとデメリットを見ていきます。
ピック弾きのメリット①:速いテンポで安定する
ピック弾きは、指弾きに比べて速いテンポに対応しやすいプレイスタイルです。
特に、オルタネイトピッキングで安定したプレイができるようになると、相当速いテンポであっても、安定したビートを刻み続けることが可能になります。
また、ダウンピッキングで高速ビートを刻み続けるのも、またバンドに独特のグルーヴを生み出し、疾走感あふれる楽曲にはぴったりハマります。
ピック弾きのメリット②:ハイが立つので音の抜けが良い
ピックの素材は、一般的にはプラスチックです。
ですので、その感覚は硬く、その硬さが音にも影響してきます。
具体的にはどういうことかというと、ピック弾きのベースには「ハイが立つ」という特性が出てくるのです。
そのため、音抜けがよくなり、録音でもライブでも、ベースの音が非常に抜けて聞こえやすくなってきます。
ピック弾きのメリット③:低く構えても弾きやすい
ピック弾きは、指弾きに比べて、低く構えたときの相性も良いです。
指弾きで、ストラップを長くしてベースを低く構えると、どうしてもひじがのびきってしまってフォームに無理が生じ、弾きにくくなってしまいますが…
ピック弾きであれば、手首のスナップで音を出すことができますので、低いフォームのときでも指弾きより安定して音を出すことができるようになります。
特にロック系ベーシストは、できるだけベースを低めに構えたいでしょうから、そういった意味でもピック弾きとの相性が良いんですね。
ピック弾きのデメリット①:ベースらしいふくよかな音は出にくい
ピック弾きは、先ほど書いたように、「ハイの立つ、抜けの良い音」が特徴になります。
ですので、逆に言うと、指弾きのような「丸い、ふくよかな音」というのは苦手にしています。
たとえば、ウッドベースのような音をエレキベースに求めるのであれば、ピック弾きではほぼ不可能。
そういった音をベースに求めるのであれば、指弾きで対応することが必要になってきます。
ピック弾きのデメリット②:指弾きより下に見る人がいる
なぜか、一部のバンドマンの中に、「指弾きが上で、ピック弾きが下」という、謎の序列を持っている人がいます。
この背景には、おそらくテクニカルなフレーズを奏でるベーシストは指弾きで、ピック弾きはシンプルなルート弾きしかできない…といった、プレイスタイルに起因する偏見があるのでしょう。
しかし、テクニカルか否かとか、プレイスタイルがどうかとかで、ベーシストに優劣はつきませんし、そういった優劣のような発想を持つこと自体が、個人的には愚かであると思っています。
楽曲に応じたプレイができるのは、どちらの弾き方か。
自分の表現したい音楽が実現できるのは、どの弾き方か。
指弾きかピック弾きかというのは、あくまで「表現の手段」にすぎません。
究極的には、「自分の出したい音が出せるなら、どちらでも良い」のです。
速い曲が中心のロックバンドならピック弾き、そうでないなら指弾き
ここまで、指弾きとピック弾きとで、それぞれのメリット・デメリットを見てきましたが、ポイントをまとめると…
- 速い曲が中心のロックバンドであれば、ピック弾きがオススメ!低く構えやすい点も相まって、ロック系ベーシストとしての佇まいを演出できる!
- 速い曲が中心でないのであれば、細かなニュアンスを表現しやすい指弾きがオススメ!スラップを併用しやすいので、プレイスタイルの幅も広がる!
といったところでしょうか。
途中でも申し上げましたように、ピック弾きと指弾きには、優劣はありません。
それぞれの表現したい音楽に合うプレイスタイルはどっちか、という視点で、双方を選べば良いのです。
そして、もしジャンルを問わず、さまざまな音楽をプレイしたいというのであれば、
ということもまた、必要になってきます。
まとめ
以上、今回は、ベースの奏法について、指弾きかピック弾きか、どちらがオススメかについて、メリットとデメリットをそれぞれ並べながら、考察してみました。
ベースの細やかなニュアンスを出しやすい、指弾き。
ハイ立ちした音で、速いビートを刻みやすい、ピック弾き。
それぞれの双方には、どちらにも魅力的なメリットがあります。
なので、それらのメリットを認識しながら、うまく使い分けていただくと良いでしょう。