
★この記事で分かること★
- 元阪神・現メジャーリーグの藤浪と、スラムダンクに登場した谷沢の共通点
- 藤浪の過去の実績とアメリカ行きの経緯
- スラムダンク・谷沢に関する話のあらすじ
- アスレチックスからオリオールズに移籍した藤浪の現状
皆さん、こんにちは!けんた@ロスジェネ青春マガジン(@lost_gene_mag)です!
阪神タイガースから、メジャーリーグのオークランド・アスレチックスに移籍した藤浪晋太郎投手の話題が、連日ネットを賑わせています。
日本では思うような結果が出ず、夢に見たアメリカへ飛び出して、新天地で頑張ろうとしたものの、現地でも大きな壁にぶち当たってしまう…。
この様子、私たちロスジェネ世代は、とあるマンガで見たことが見たことがあると思います。
そう、あの「スラムダンク」に登場した、谷沢です。
本日は、阪神を飛び出してメジャーに行った藤浪と、大学を飛び出してバスケットの国・アメリカへ旅立ったスラムダンク・谷沢の共通点について、見ていこうと思います。
元阪神・藤浪晋太郎はこんな人
まず、元阪神タイガース、現メジャーリーグの藤浪晋太郎という投手について、ご紹介させていただきます。
大阪桐蔭から阪神へ入団⇒3年連続で2ケタ勝利
藤浪晋太郎投手は、1994年生まれ、大阪府堺市出身のプロ野球選手です。
高校時代は、大阪桐蔭高校に籍を置き、エース投手として甲子園に出場。2012年に、身長190センチを超える上背から投げ下ろす、150キロを超えるストレートを武器に、史上7度目の甲子園春夏連覇を達成します。
その後、4球団競合の末、阪神タイガースに入団。2013年には10勝を挙げて新人王に輝きます。
翌年、2014年には11勝、2015年には14勝を上げるなど、3年連続の2ケタ勝利を挙げるなど、阪神タイガースのエースとして、着実に実績を積み重ねつつありました。
「藤浪の161球」をきっかけに?不振の日々…
しかし、そんな藤浪に、試練の年が訪れます。
2015年の後半、肩を故障した藤浪でしたが、2016年はこれまでと同様に先発のマウンドに立ちます。
2016年7月8日。藤浪は甲子園球場で広島戦に登板しますが、味方のミスもあって7回までで5失点。一方の阪神は2点を返しており、まだまだ逆転の狙える展開でした。
ここで打順が回ってくることもあり、普通であれば代打⇒降板の流れになるところでしたが…
当時の金本監督は、なんと藤浪に代打を出さず、そのまま続投を指示します。
7回終了時点で既に130球を超える球数だった藤浪は、8回は全くまともなピッチングをできず、さらに3失点を喫して降板。
テレビ中継に映った金本監督の表情は怒りに満ちており、誰もがこれを「藤浪への懲罰登板」だととらえたものでした。
このとき、藤浪が投げされられた球数は、161球。
この件をきっかけに…かどうかの因果関係は定かではありませんが、いずれにせよ、これ以降藤浪は、これまでの華々しい成績が嘘のような不振に陥ってしまいます。
とりわけ、ストレートがすっぽ抜け、時速約160キロのストレートが右打者の頭部へ襲いかかるなど、制球面に大きな課題を抱えてしまうようになるのです。
このような、藤浪の調子を狂わせたこの事件は、「藤浪の161球」と呼ばれるようになります。
そして、この「藤浪の161球」事件が、彼のイップスを招いた、との指摘も根強くあるほどなのです。


復活の兆しは見えず「才能だけで投げている」の声
藤浪がこれまでのような快投ができなくなった背景には、この「藤浪の161球」事件の影響を指摘する声も大きいですが…
一方で、藤浪自身の問題を指摘する意見もあります。
藤浪は、恵まれた身体能力など、生まれ持って得た才能で、ここまで好成績を残してきましたが、一方でプロ入り後は、
と、彼の練習不足を指摘する声が、非常に多くありました。
たとえば、当時の阪神のエースだった能見篤史投手やランディ・メッセンジャー投手は、彼の練習不足や走り込みの不足を指摘し、「このままだと並みの投手で終わってしまう」と苦言を呈していました。
しかし、藤浪自身はそうした指摘を受け止めることなく、我流の調整を続けます。
これで結果が出ていれば良いのですが、藤浪は「藤浪の161球事件」の後、全く立ち直る気配はなく、能見やメッセンジャーの指摘する「練習不足」が、真実味を帯びて、多くの人々に理解されるようになります。
加えて、阪神の人気選手にありがちな「タニマチ」との付き合いも、彼の練習を妨げます。
とりわけ、2020年、新型コロナウイルス感染症の第1波の中にあって、女性とのコンパがきっかけで若手選手とともに新型コロナに感染したことについては、
と、強い非難の声が寄せられましたが、この会食もタニマチが関係しているとの話が後に生じます。
藤浪のような将来有望な若手選手にとって、いかにタニマチの存在が問題かという別の側面もまた、明らかになったのでした。
2023年、メジャーへ旅立つが…
こうした中、藤浪は、阪神タイガース内でこれ以上の成長・活躍は望めないと判断。
その活路を、「かねてから憧れだった」というメジャーリーグに求めます。
本来、FA権をまだ取得してない藤浪がメジャーに行くには、球団同意の上、ポスティングシステムを利用してメジャーへ行くことになりますが、阪神は意外とあっさりとこれに同意。
交渉の結果、オークランド・アスレチックスへ移籍することになりました。
藤浪のような豪快なストレートはメジャー向きであるとの声も強く、メジャーでの再起が期待された藤浪でしたが、現実は非常にシビア。
当初は先発で起用されましたが、序盤こそ好調なものの突然四死球で崩れるという、日本でおなじみの光景が、海を越えたメジャーでも見せつけられてしまいます。
その後、藤浪の先発希望もむなしく中継ぎへと配置転換されますが、こちらでもやはり四死球で乱れて失点するパターンが多く、藤浪はメジャーに行っても状況が変わっていないことが、明らかになったのでした。
スラムダンク・谷沢龍二はこんな人
次に、スラムダンクに登場した、谷沢龍二という登場人物について見ていきます。


恵まれた身体能力で大学バスケ期待の星に
谷沢は、2メートルの長身と、それに似合わぬ運動能力を武器にした、大学バスケの選手。
その才能には、非常に多くの期待が寄せられ、後に湘北高校で桜木花道や流川楓を育てる、安西先生のもとで、バスケの指導を受けます。
白髪鬼・安西先生に厳しく指導される…
しかし、安西先生は、当時「白髪鬼」と呼ばれる、大学きってのスパルタ指導者として知られていました。
その厳しさは、谷沢いわく「ヤクザだよほとんど…」と言われるほど。
厳しい指導に嫌気の差した谷沢は、違う環境で自分を成長させたい、自分の力を試したいと思うようになります。
アメリカへ旅立つが…
そして谷沢は、しばらく部活を休み、そして突然、アメリカへ旅立ってしまいます。
手塩にかけて育てようとしていた谷沢が突然いなくなったことで、元気をなくしてしまう安西先生。
その後約1年、皆が谷沢を忘れ始めたころ、そんな安西先生のもとに、1本のビデオが届きます。
そこに映っていたのは、アメリカでバスケの試合に出場する谷沢。一見、活躍しているように見える谷沢の姿ですが、この様子を見て、安西先生は、心の中でこうつぶやきます。
能力に任せたプレイで、基礎をおろそかにしていた谷沢は、バスケの本場・アメリカに行っても、自身が望むような急成長はできなかったのです。
加えて、英語の能力も十分でなかった谷沢は、チームメイトともうまくコミュニケーションがとれていなかった上、チームそのものにもまとまりがなく、安西先生は、「このままでは谷沢はダメになる」と、谷沢を日本に呼び戻そうとします。
しかし谷沢は引っ越して連絡がとれず、また大学に連絡しても、バスケ部にも顔を出さなくなったとの情報があり、消息不明に。
そして谷沢が渡米して5年目になる、ある日の朝。
安西先生は新聞報道で、谷沢が交通事故で亡くなったことを知ります。そして、その事故が、自暴自棄による暴走運転の結果であり、体内から薬物反応が出ていたことも…。
谷沢が、安西先生に出そうとして、出せなかった手紙が、胸を打ちます。
安西先生──いつかの先生の言葉が近ごろ、よく頭にうかびます。
「お前の為にチームがあるんじゃねぇ チームの為にお前がいるんだ」
ここでは誰も僕にパスをくれません。
先生やみんなに迷惑をかけておきながら、今おめおめと帰るわけにはいきません。
いつか僕のプレイでみんなに借りを返せるようになるまで、頑張るつもりです。
バスケットの国アメリカの──
その空気を吸うだけで僕は高く跳べると思っていたのかなぁ…

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谷沢の物語、実はアニメ版スラムダンクでも描かれています。
第88話「バスケットの国アメリカ」が、まさに上記のストーリーに該当する話になります。
「アニメ版スラムダンクは陵南戦まで」と思っている方が多いですが、実は全国大会前のエピソードの一部は、こうやってアニメ化されています。
そして、そんなアニメ版スラムダンクは、U-NEXTで配信されています。
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藤浪と谷沢の共通点
さて、この藤浪と谷沢ですが、見ていただいてわかるように、
- 生まれ持っての才能は高い
- だが、その才能を生かし切れない現状にある
- そんな中、自らの努力よりも環境を変え、本場に挑むことを優先
- しかし、才能だけでは本場では通用しない
…と、かなりの共通点が見いだせます。
スラムダンクでこの谷沢の話が描かれたのは、なんと1994年。実に、今から約30年前に、今の藤浪を予感させるようなストーリーが、描かれていたのです。
それも、誰もが知る、圧倒的な大人気マンガにおいて。
以下、藤浪と谷沢の共通点、表にしてみます。
谷沢 | 藤浪 |
かねてから憧れていたアメリカのバスケットボールに挑戦 | かねてから憧れていたアメリカの野球(メジャーリーグ)に挑戦 |
苦言を呈する安西先生 | 苦言を呈する能見とメッセンジャー |
チームにひとりだけ日本人で頑張っているとの評価 | チームにひとりだけ日本人で頑張っているとの評価 |
まるで成長していない… | まるで成長していない… |
能力に任せたプレイで基礎をおろそかに | 能力に任せたプレイで基礎をおろそかに |
基礎が身についていないため、本場で自身が望むような急成長はできていない | 基礎練習を避けてきたため、本場で自身が望むような結果は出ていない |
アスレチックスからオリオールズへ移籍した藤浪
さて、夢のメジャーリーグに挑戦したものの、一度は高い壁にぶつかってしまった藤浪ですが…
2023年、アスレチックスは、ア・リーグ西地区において、ダントツの最下位。
従って、言葉は悪いですが、藤浪にとって「プレッシャーのかかる登板」というものは、ほとんどありませんでした。
そんな「気楽な登板」の機会の多さもあってか、藤浪は少しずつ元来のピッチングを取り戻し、アスレチックスの中継ぎとして、貴重な戦力となっていきます。
そして、こうなると、シーズン途中でもトレードで引き抜かれていくのがメジャー流。
藤浪は、ア・リーグ東地区で熾烈な首位争いを繰り広げる、ボルチモア・オリオールズに移籍するのです。
しかし、オリオールズは首位争いの渦中にあり、1試合1試合、非常に緊迫した展開が続いています。
そうした中で登板する藤浪は、やはりプレッシャーに負けてしまうのか、再び悪いときのピッチングに逆戻り。
特に、8月2日(日本時間3日)のブルージェイズ戦では、ピンチの場面に登場したものの、2者連続で押し出し死球を与えてしまい、場内が騒然としてしまいます。
藤浪の課題である「メンタルの弱さ」「制球難」は、気楽な場面の登板であったがゆえに顕在化しなかっただけ。
むしろ、首位争いをするような上位チームの緊迫した場面で登板することにより、この弱点が派手に見えてしまうようになり、藤浪の評価は大きく下がってしまうことになるのでした。

まとめ
このように、今回、元阪神・現アスレチックスの藤浪晋太郎投手の過去、現在を振り返りながら、まるでこの様子を予知していたかのように描いていた、スラムダンクの谷沢に関するストーリーを紹介させていただきました。
今から30年前のマンガでありながら、今もなお輝きを放ち続ける、スラムダンク。
そんなスラムダンクの中に、まさか藤浪の現状を予見していたかのようなストーリーが、藤浪が生まれた1994年に描かれていたことに、偶然だけでは済まされない、ある種の運命的なものを感じます。
ただ、スラムダンク・谷沢の話と、今回の藤浪の話、ひとつだけ決定的な違いがあります。
それは、
ということ。
スラムダンクの谷沢は、現地で挫折し、最後は悲劇で終わってしまいます。
しかし、藤浪の挑戦は現在もまだ続いています。
そして、誰もこのような悲劇的な終わり方など、望んでいようはずもありません。
藤浪の現状と課題は、このスラムダンク・谷沢のストーリーで、端的に分かりやすく描かれています。
ならば、その課題と向き合って解決することで、ストーリーの結論は変えられるはず。
阪神ファンであれば、新人から3年連続2ケタ勝利を挙げた、あの圧倒的な、そしてロマンを感じさせるピッチング、誰もが覚えているはず。
あの輝きを取り戻した姿を、私たちは、もう一度、見てみたい。
だからこそ、どうかスラムダンク・谷沢のストーリーからの学びを得ながら、藤浪投手が「野球の国」で復活することを、心から願っております。
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谷沢の物語、実はアニメ版スラムダンクでも描かれています。
第88話「バスケットの国アメリカ」が、まさに上記のストーリーに該当する話になります。
「アニメ版スラムダンクは陵南戦まで」と思っている方が多いですが、実は全国大会前のエピソードの一部は、こうやってアニメ化されています。
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