時事・社会

紙ストローは問題点だらけ!まずい・意味ない・コスト高い…

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★この記事で分かること★

  • 紙ストローが飲み物をまずくする事実
  • 紙ストローへの環境政策的な疑問点
  • 紙ストローが苦境の飲食店に与えるコスト増の影響
  • 脱・紙ストローの必要性

皆さん、こんにちは!けんた@ロスジェネ青春マガジン(@lost_gene_mag)です!

最近、スターバックスやマクドナルドなど、主なチェーン系飲食店で、紙ストローを提供される機会が増えました。

一般にこれは「環境のため」と言われていますが、一方でこの紙ストローを使って飲み物を飲むと、明らかに味がまずくなってしまうため、評判は非常に悪いです。

しかも、そんなに味が劣化するにもかかわらず、環境面への好影響については、かなりさまざまな意見があり、

「本当に環境のために紙ストローを使う意味はあるのか?」

と、多くの人が、疑問に思っています

そこで本日は、本業のコンサルタント業務で環境問題を扱った経験のある私が、

  • 紙ストローは本当に意味があるのか
  • なぜ紙ストローはここまで評判が悪いのか

について、考えてみようと思います。

なぜ紙ストローに変わっていくのか

最近、多くの飲食店が、「環境に配慮」を理由に、従来のプラスチック製ストローを、紙ストローに替えていっています。

一般に、プラスチック製ストローが紙ストローに置き換わっていく理由としては、概ね、次の3点が挙げられます。

【理由①】環境への影響

プラスチックストローは非生分解性であり、地球上に長期間存在し、海洋や陸上の環境に深刻な影響を及ぼします。

海洋や川に流れ込んだプラスチック製ストローは、野生生物に食べられるなどして生態系に悪影響を与え、マイクロプラスチックとして環境に浸透することもあります。

けんた
けんた
この「海へ流れるプラスチックごみへの問題意識」は、レジ袋がエコバッグに変わっていった話に通じるものがありますね。

一方、紙ストローは再生紙などのリサイクル可能な素材で作られていることが一般的です。また、紙ストローは自然に分解されるため、環境への負荷が低いとされています。

けいこ
けいこ
ただし、後述しますが、「環境への負荷」については異なる見解もあります。

【理由②】プラスチックに比べて容易なリサイクル

プラスチック製ストローは再利用が難しいことが一般的です。多くの場合、一度使った後に捨てられるため、廃棄物の問題を引き起こす要因となります。

紙ストローは再生紙から作られているため、使い終わった後でもリサイクルが可能であると考えられます。

また、こういった再生紙への再利用が行われることで、廃棄物の量を減らす助けとなります。

【理由③】環境意識の高まり

近年、環境問題に対する意識が高まり、企業や個人の間で持続可能な選択が重視されています。

このため、飲食店も環境への配慮を示す一環として、プラスチックストローから紙ストローへの移行を進めるケースが増えています。

環境に配慮した取組みは、一部の顧客にとって飲食店の選択基準となることもあります。

そういった顧客に向けて、紙ストローを採用していることが、顧客に対して環境への配慮をアピールする手段としても機能する可能性はあるでしょう。

紙ストローのデメリットは

と、このような理由で、スターバックスやマクドナルドなど、多くの飲食店で、プラスチックストローが紙ストローに置き換わっていきました。

しかし、この紙ストロー、デメリットも非常に多いです。

そして、そのデメリットについての議論が十分でないがゆえに、多くの人が「もやもや」しています。

ということで、まずはこの紙ストローのデメリット、しっかり整理していきましょう。

【デメリット①】飲み物がまずくなる

まずは何と言っても、これ。

紙ストローで飲み物を飲むと、とにかくまずくなる

この1点です。

プラスチックストローは、飲み物の味を変えることがないのに対し、紙ストローで飲み物を飲むと、明らかに口の中に「紙の味」が広がります

この紙の味は、コーヒーの風味を台無しにし、ジュースの爽快さを半減させてしまうのです

また、ふやけて唇にひっつくことで、飲むときの不快感が大幅に増すという面も見過ごせません。

せっかくオシャレなカフェに来て、コーヒーを飲んでも、この紙ストローのせいで、不快な思いをして帰ることになる事案は、全国で多数発生しています。

この紙ストローで飲み物を飲む感覚は、

「まるでトイレットペーパーの芯を使って飲んでいるようだ」

と例えられるほど、多くの人々を、シンプルに不快にしています。

けいこ
けいこ
実際にトイレットペーパーの芯で飲み物を飲んだことがある人はいないと思いますが、なんとなく、その感覚、分かりますよね…。

【デメリット②】環境政策的に意味が無い

と、このように、飲み物をまずくしてしまう紙ストローですが、環境政策的に意味があるものであれば、一定の理解は得られると考えられます。

しかし、実はこの紙ストロー、環境政策的にも疑義が唱えられています。

まず、紙ストローは、プラスチックストローに比べ、二酸化炭素(CO2)の排出量が多いことが指摘されています。

この背景には、紙を製造するプロセスの中で二酸化炭素の排出があることや、紙ストローはプラスチックストローより重量があるため、運送時のCO2排出量を増加させてしまうといった点が指摘されています。

2022年11月18日、文春オンラインの記事を引用します。

温室効果ガスの排出量は“紙ストロー”が“プラストロー”の4.6倍

同論文では、悪化の可能性がある地球環境として、つぎの8項目を取り上げている。「地球温暖化」「海洋酸性化」「水域の富栄養化」「オゾン層破壊」「有毒物質による汚染(淡水域)」「有毒物質による汚染(陸域)」「人体に影響する有毒物質」「化石燃料の消費」の八つだ。

評価のためには、米国内の事情を考える必要がある。たとえば、ポリプロピレンの原料はおもに原油と天然ガスからつくられているとか、運送にはディーゼルトラックを使うとか。都市部のごみは大部分が埋め立てられている。こうした現状を考慮に入れ、ストローの種類ごとにさきほどの8項目のそれぞれについて計算する。さらに合算もして、地球環境に対するトータルな悪影響度を評価する。

その結果、全量埋め立て廃棄の場合、地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量は、紙ストローがプラストローの4.6倍にもなっていた。

このように、紙ストローは必ずしも環境政策的に万能というわけではなく、CO2排出量という点においては、プラスチックストローに劣るのです。

このほか、飲食店におけるプラスチックの使用量削減という点だけにフォーカスを当てても、

なぜストローは紙製に変えたのに、アイスドリンクのカップや、飲み物のふたはプラスチックのままなのか

という疑問に対して、納得のいく説明がなされていない点も、多くの消費者に「紙ストローへの不信感」を増幅させているといえます。

このように、

  • 紙ストローの使用を通じたプラスチックの使用量減が、環境政策的に効果的かどうかが明らかではないこと
  • 加えて、仮にプラスチックの使用量を減らすことが正しいとしても、カップやふたがプラスチックのままである状況では、その主張に説得力がないこと

といったことを考えると、

紙ストローの使用が、環境政策的に正しいとは、とても思えない

というふうになってしまうのです。

【デメリット③】コストが高く、飲食店の経営を圧迫する

そして、紙ストローについては、プラスチックストローよりも単価が高く、飲食店の経営に与える影響の大きさも指摘されています。

「ファイナンシャルワールド」の記事によると、具体的な数値として…

  • プラスチックストロー:1本当たり0.82円
  • 紙ストロー:1本当たり3円

が挙げられています。

昨今の物価高で、光熱水費が上昇するほか、さまざまな原材料費が高騰している中、ストローまで高いものを使うというのは、飲食店経営者としては、できれば避けたいはず。

仮に紙ストローが「高いけど良いもの」ということであれば、あえて選択する判断もあるでしょうが…

飲み物がまずくなる上、環境政策的にも意味が無いと考えられる、紙ストロー。

これに、わざわざ追加的なコストを掛けてまでこだわる意味は、普通は考えられません。

科学的根拠のない「やってる感」だけが先走る

このように、紙ストローについては、3つの問題点があることを指摘してきました。

紙ストローの問題点
  1. 飲み物がまずくなる
  2. 環境政策的に意味がない
  3. コストが高く、飲食店の経営を圧迫する

このような問題点、少しずつさまざまなメディアで指摘されてきつつありますが、まだまだ世論的に大勢になっているとは言いがたい状況です。

紙ストローの使用の意味・意義については、ここまで見てきたように、科学的な根拠があるとは言えませんが、それにもかかわらず、

紙ストローを使っていることは、環境意識の高い証拠

みたいな、科学的根拠の希薄な「やってる感」の演出に使われているのが実態です

そして、多くの人が、意味がないにもかかわらず、高い紙ストローで、飲み物をわざわざまずくして飲んでいる…。

こんな滑稽なことが、令和の時代にあってよいとは思えません。

レジ袋廃止の議論もそうですが、なぜ日本の環境政策は、こんなに「意味の無いこと」を一生懸命やって、「やってる感」の演出にこだわるのでしょうか…。

けんた
けんた
まさか、「わが国の環境行政の舵取り役である環境省の職員が、ブラック労働で疲れた結果、こんな意味の無い政策を作っている」なんてことがなければ良いのですが…

誰も得しない紙ストローに、消費者の総意として「No」を

ということで、紙ストローについては、何一ついいことがないことが分かってきました。

私たち消費者としては、このような意味の無い紙ストローの普及促進は、一刻も早く止めていただきたいと考えているのですが…

一方で、2023年7月現在、多くの飲食店では、この紙ストローが標準で出されるところが非常に多いです。

せっかくお金を払って、おいしい飲み物を飲みたいのに、紙ストローを手渡され、わざわざまずくして飲むのは、何としても避けたいところ。

ましてや、この紙ストローが環境政策的に意味がないとなれば、なおさらのことですよね。

そんなときは、どうすれば良いか。

紙ストローがイヤなときは、店員に「すみません、プラスチックストローに換えてください」と言えば良い

そう、ただそれだけのことなんです。

たとえば、マクドナルドもスターバックスも、商品受け取りの際、店員に、プラスチックストローへの交換を申し出たら、快く対応してくれます。

お店サイドとしても、紙ストローへの批判や不満は一定認識しています。

ですので、変に遠慮したり、気負ったりすることなく、気軽に「プラスチックストローへの交換」を申し出るようにしましょう。

けんた
けんた
こういう、一人一人の行動の積み重ねで、意味の無い紙ストローをなくせるかもしれませんからね。

まとめ

このように、今回の記事では、「環境への配慮」ということで導入されている紙ストローについて、

  1. 飲み物がまずくなる
  2. 環境政策的に意味が無い
  3. コストが高く、飲食店の経営を圧迫する

という3点から、批判的に論評させていただきました。

環境分野においては、どうも科学的に根拠がなかったり、希薄だったりすることであっても、無理矢理強行して「やってる感」を演出しがち。

それで誰かが迷惑を被っていないのであれば良いのですが、今回の紙ストローについては、飲食店の飲み物の味を強烈にスポイルしてしまいますし、コストの高さで飲食店の経営も圧迫してしまいます。

その上、環境政策的にも意味がないとなると、いよいよ誰が何のためにやっているのか、訳が分からなくなってしまいます。

消費者としては、こういう「意味が無いこと」「消費者の利益を害すること」については、市場での消費行動を通じて、しっかり「No」を叩きつけなければなりません。

幸い、ほとんどの飲食店が、紙ストローからプラスチックストローへの交換には、快く応じてくれています。

意味のある環境政策の実践のため。そしておいしい飲み物を楽しむことを通じ、物価高騰に苦しむ飲食店を助けるために。

皆さん、一緒に「脱・紙ストロー運動」、展開していきましょう!

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今回の記事でご紹介した紙ストローは、環境政策的には疑義がありますが、地球環境を守りたいという思いはありますよね。

あくまで「意味の無いことはしない」だけであって、「意味のある行動」であれば、ちゃんと環境のことも考えたい…

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