プロ野球

阪神・岡田監督が坂本ではなく梅野をスタメンで使う理由は?【2023年9月版】

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★この記事で分かること★

  • 阪神が好調の坂本ではなく不調の梅野を使う理由
  • 坂本と梅野の成績の比較(特に勝率、防御率)
  • オールスター前に梅野が外された状況
  • 阪神10連勝の中、梅野がデッドボールで負傷離脱した状況
  • 阪神の正捕手は誰がふさわしいか

皆さん、こんにちは!けんた@ロスジェネ青春マガジン(@lost_gene_mag)です!

2023年の阪神タイガース

阪神タイガースの動向は、関西の経済状況に無視できないほどの影響を与えることから、私も毎年、注視しています。

ところで、そんな阪神タイガース、ひとつ、気になることがあります。

それが、「正捕手・梅野がスタメンマスクをかぶると、大量失点になりがち」という現象。

そして、二番手捕手の坂本が絶好調であるにもかかわらず、4月から攻守ともに不調の梅野を岡田監督がスタメンで使い続けることについて、さまざまな意見が飛び交っています。

これらは「梅野坂本論争」とも呼ばれ、多くの阪神ファンを巻き込み、議論が盛り上がっているところです。

特に、交流戦以降、梅野の出場機会が増えると、阪神の成績は急降下し、6月25日にとうとう首位陥落したことで、

なぜ梅野より坂本の方が成績がいいのに、梅野ばかりを重用するんだ!

というファンの不満の声は、ますます強くなってきていました。

本日は、元スポーツメディアで野球を担当していた私が、なぜ岡田監督はここまで不調の梅野にこだわるのか、日々のデータを見ながら、考えてみました。

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どうした梅野?4月は絶不調…

阪神タイガースの正捕手・梅野隆太郎

「バズーカ」とも呼ばれる強肩、高いキャッチング技術

そして何より、勝負強い打撃に定評があり、「打てる捕手」としての呼び声も高く、これまで、阪神タイガースの正捕手としての地位を確立してきました。

また、ヒーローインタビューのときの「明日も勝つばい!」といった決めゼリフなどもファンの間で定着。

こういった親しみやすいキャラクターもあって、阪神ファンの多くも「梅ちゃん」の相性とともに、「タイガースの正捕手といえば梅ちゃん」という感覚を持っています。

2番手捕手・坂本

一方、阪神タイガースの一軍には、もう一人、優れたキャッチャーがいます。

それが、坂本誠志郎

坂本は、これまで「二番手キャッチャー」の地位に甘んじていましたが、昨年2022年、矢野監督は坂本をキャプテンに指名

この頃から、スタメン起用される機会も増えたのですが、そのときはバッティングがイマイチで、

なぜ梅野という正捕手がいながら、坂本をこんなに重用するんだ
矢野監督のえこひいきじゃないの?

といった具合に、坂本に対して批判的な意見も多かったところでした。

梅野と坂本の比較

そうした中、2023年、岡田監督は「正捕手は梅野」と宣言し、坂本を2番手捕手との位置づけにします。

ところが、そんな坂本、そうした扱いに対して反骨心を示すかのように、2023年、ここまで大活躍

こうした状況の中、梅野と坂本の成績を比較すべく、梅野が故障離脱するまでの間である、8月13日時点において、梅野と坂本の戦績を比較してみます。

梅野 坂本
勝敗 33勝27敗2分 29勝11敗1分
勝率 .550 .725
打率 .194 .218
打点 19 11
防御率 3.31 1.99

この表から分かることは、次の4点です。

梅野と坂本の比較
  1. 坂本が先発マスクをかぶった試合は勝率が約7割
  2. 一方、梅野が先発マスクの試合は、勝率が約5割
  3. 梅野の打率は1割台であり、「打てる捕手」の面影はない
  4. 坂本は、開幕直後は比較的打てていたが、最近はバッティングの調子を落とし、打率は2割程度にとどまっている。
  5. 捕手別防御率で、梅野は3点台の一方、坂本はほぼ2点。梅野がスタメンマスクの試合は先発が打ち込まれることが多い上、リリーフが炎上することも多く、大量失点になりがち(湯浅が打ち込まれた試合もキャッチャーは梅野)

といった具合に、データだけを見ると、

明らかに梅野より坂本の方が上回っている

のです。

直近の、梅野戦線離脱後のデータは…

なお、本稿では「梅野と坂本がおおむね均等に出場機会を得ている」という前提のもとでデータ分析を行っております。

その前提を崩した直近の数値は、あまり論考には使うべきではないと考えていますが、参考までに梅野が故障で戦線離脱し、坂本が連日スタメンマスクをかぶっている、9月29日時点の数値も合わせて掲載しておきます。

梅野 坂本
勝敗 33勝27敗2分 50勝23敗2分
勝率 .550 .685
打率 .194 .230
打点 19 20
防御率 3.31 2.18

さすがに連日スタメンマスクをかぶっていると、どうしても大量失点したり、負けてしまったりする日も増えてしまいます

特に9月14日以降、優勝を決めてからは、主力の一部を下げる試合も多いため、勝率が下がってしまわざるを得なくなります。

ですので、梅野と出場機会を分かち合っていたときと比べると、成績は若干悪化してしまっていますね。

とはいえ、それでも7割近いの勝率を維持し、防御率も2点台前半なのは、さすがです。

梅野がスタメンだと先発ピッチャーが崩れがち

さて、ここから先は梅野・坂本併用の件に話を戻します。

先ほどの防御率を見ても明らかなように、梅野が先発マスクをかぶった試合は、先発投手が序盤に大量失点してしまうケースが続出しています。

具体的な事例を、いくつか見ていきましょう。

4月26日、VS巨人戦

この日は、梅野がスタメンマスクで、先発ピッチャーは西勇輝でした。

基本的に安定感が売りで、大崩れしないことに定評のある西勇輝でしたが、この日は巨人打線が狙いを定めて、どんどんバットを振ってきます。

その結果、序盤から西勇輝は打ち込まれてしまい、ついには相手ピッチャー・戸郷にまでタイムリーヒットを打たれてしまう状況。

最終的に、西勇輝は、3回5失点でノックアウトされてしまうのです。

4月30日、VSヤクルト戦

この日は、若きホープ、才木が先発。150キロ前後の速いストレートと、フォークボールが武器のピッチャーで、梅野との相性が良いピッチャーです。

しかし、才木は、調子もあまり良くないのか、厳しいコースを攻めるリードに応えきれず、カウントを悪くしたりフォアボールを出したりと、才木らしくないピッチングが目立ちます。

案の定、才木は3回に捕まってしまい、不調の村上にタイムリーを打たれた上、続くサンタナにホームランを浴びるなど、3失点でマウンドを降りることになってしまったのでした。

5月2日、VS中日戦

この日の先発は、投手三冠を誇るエース・青柳。先発マスクは梅野です。

青柳は今年に入ってから、今ひとつピリッとしないピッチングが続いていましたが、この日もきわどいコースを攻めきれずに、初回から球数を投げさせられてしまい、満塁からタイムリーツーベースを浴びてしまいます。

2回以降は立ち直ったものの、「厳しいところを攻めすぎてカウントが悪くなり、置きにいったところを痛打」という、最近のありがちなパターンで攻略されてしまったのでした。

5月3日、VS中日戦

この日の先発は西勇輝。そして先発マスクは例によって梅野です。

前回、序盤に失点を許してしまった西勇輝でしたが、本日も同様に、序盤から中日打線に捕まります。

外中心の攻めを中日打線に見抜かれたかのように、連打を浴び、2回に打者一巡の猛攻を受けて、2回6失点でマウンドを下ろされてしまいます

試合はその後、阪神打線が猛攻を加えて逆転サヨナラ勝ちに至っていますが、あの西勇輝が2回連続で序盤KOというのは、にわかには信じがたい光景でした。

5月19日、VS広島戦

この日の先発は、エース青柳前回登板はなんとか勝利をものにしており、復活が期待されていました。

しかし、この日の対戦相手・広島は、1番から9番まで、全員左バッターという、極端なまでの青柳対策で臨んできます。

青柳はこの日も、梅野の厳しいコースへの要求に応えられず、明らかなボール球が多くなって球数がかさみます

そして、甘く入ったところを痛打されて、初回で打者一巡の5失点。

その後、クリーンナップが全員ホームランを打つなど、打線が大爆発して、一時は同点にまで迫るのですが…

この日は先発の青柳のみならず、なんと中継ぎピッチャーも総崩れで後半にも失点して、7−10で敗戦。

せっかくのクリーンナップ大爆発が、投手陣総崩れによって台無しになってしまう、非常に後味の悪い結果になってしまいました。

6月8日、VS楽天戦

交流戦、パ・リーグの中で、今ひとつ波に乗れない楽天との一戦。リーグ戦で好調を維持している阪神にとっては、比較的勝ちが計算しやすい相手だと目されていました。

この日の先発は伊藤将司。これまで、伊藤将司が先発の試合では、先発マスクは坂本としていた中、この日は今季初めて、梅野が伊藤将とバッテリーを組みます。

多くの阪神ファンがイヤな予感を感じる中、伊藤将司は7回3失点と、坂本がコンビのときより、明らかに調子を落としてしまいます。

そんな中、阪神は8回に大山のタイムリーや渡邉諒の犠牲フライなどで逆転に成功。

あとは最終回を湯浅が締めるのみ…なのですが、フォアボールを連発して2アウト一・二塁のピンチ。

ここで湯浅が対峙したのが、楽天の2番、小深田。しかし、ここで初球、高めに投げたストレートをフルスイングされ、まさかの3ランを浴びてしまいます。

こうして、阪神は楽天相手に、湯浅を投入していながら、サヨナラ負けを喫してしまうのでした。

この試合は、先発のみならず、リリーフエースまでもを崩されてしまうという点において、非常に衝撃的な試合になってしまったと言えるでしょう。

7月15日、VS中日戦

この日の先発は才木。

才木は、梅野との相性が比較的良く、今年の交流戦では、ロッテ・佐々木朗希にも投げ勝った、梅野に逆風の吹く中にあっても、比較的期待できるバッテリーです。

試合は3番に入った前川のタイムリーヒットや、イレギュラーバウンドに助けられた梅野自身のタイムリーなどで優位に進み、9回表終了時点で4−2

ここで通常であればリリーフエース・岩崎が登場するところですが、体調不良の岩崎に代わって岩貞が9回のマウンドへ。

しかし、岩貞は例によって厳しめをつかされるリードの中で、制球を定めきれずに先頭打者をフォアボールで出塁させると、ヒットを浴びてまさかの2失点

ここまでであれば同点だったのですが、延長戦に入った10回、島本も先頭打者に二塁打を浴びてしまいます。

その後、送りバントや内野ゴロで何とかアウトカウントを重ねるのですが、1番・大島にヒットを浴び、ライトからの送球がランナーに当たる不運もあって2点勝ち越しに。

こうなると、最終回は中日の守護神・マルティネスに押さえられて試合終了を迎えるのみ…。

途中まで勝ちムードが漂っていただけに、非常に後味の悪い敗戦になりました。

8月8日、VS巨人戦

東京ドームで開催される巨人戦、先発は西純矢でした。

この日は3回までに5点を挙げ、試合は序盤から楽勝ムードが漂っていました。先発の西純矢も、球が走っており、

今日はワンサイドかな

と、誰もが思っていたものでしたが…

球が走っていたがゆえか、強気一辺倒の配球を読まれ、4回には長野に2ランを、6回には絶好調の岡本に2ランを浴びてしまいます。

その後、7回には加治屋がマウンドに上がり、ピシャリと締めたのですが、8回、岩貞が捕まります

岩貞は先頭バッターの吉川をフォアボールで歩かせると…

続く中山にライト前ヒットを打たれ、さらに3番・秋広にも流し打ちでライト前へ運ばれ、1点を失います。

その後、なんとかこの回をしのぎ、最終回には守護神・岩崎が上がるのですが、岩崎もピシャリと3人で抑えることはできず、梶谷にセンター前ヒットを浴びるなど、2アウトながら1・2塁のピンチを招きます。

最後は秋広を見逃し三振にきってとり、なんとか勝利をモノにすることができたのですが…

お気づきでしょうか。

一連のピンチ、ことごとく、梅野が外角低め一辺倒の配球をした結果

なのです。

これは、今回ご紹介させていただいた配球を見ていただければ、一目瞭然かと思います。

「よくぞここまで」と感心してしまうほど、打たれたときの梅野の配球は、外角一辺倒

確かに、一般に、「外角低めは一番打ちづらい球」だと言われています。

でも、さすがにプロの打者ともなると、外角低めに来るのがあらかじめ分かっていれば、なんとかヒットに持っていくことはできるのです。

また、投げる側もシビアなコントロールが要求されるがゆえ、しっかり見られるとフォアボールにもなりがち

勝つには勝ちましたが、ワンサイドと目されていた試合を詰め寄られた背景には、梅野のワンパターンな外角一辺倒の配球があったと言わざるを得ないでしょう。

けいこ
けいこ
この岩貞の崩れ方は、ひとつ前の記事で紹介した中日戦と全く同じパターンなんですよね。
けんた
けんた
外角低め一辺倒のリードで、そこを見透かされて崩される…。せっかくのいい投手が、もったいないです。

けんた
けんた
最近はあまりプロ野球のテレビ中継も多くないので、阪神タイガースの試合を毎日しっかり見たいときは、スカパー!やDAZNなどのネット中継がオススメです。

岡田監督が不調の梅野にこだわる理由

しかし、岡田監督は、ここまで、梅野の先発マスクにこだわり続け、少なくともこれまで梅野とコンビを組んできたピッチャーのときには、決して坂本を使おうとはしませんでした。

それどころか、6月に入ってからは、これまで坂本と組むことで一定の実績を残したピッチャーのときですら、梅野と組ませるようになってきています。

データで見ても坂本の方が好調なのは明らかで、また梅野がスタメンのときには序盤に大量失点してしまう展開が続いているにもかかわらず、です。

とりわけ、昨年度から抜群の安定感を誇る伊藤将司が先発のときも、梅野が先発マスクに代わってしまったことについて、多くのファンからはかなり懐疑的な声が出ています。

当然、こういった「梅野より坂本」の声は、岡田監督はじめ阪神首脳陣のところにも届いているであろうことは、想像に難くありません。

では、なぜ今の阪神は、梅野が先発マスクの試合で投壊傾向が明らかであるにもかかわらず、「梅野スタメン」にこだわり続けるのでしょうか。


【理由①】落ちる球が得意な投手との相性

まず、梅野には、「優れたキャッチング技術」という武器があります。

とりわけ、落ちる球を多用するピッチャーとの相性は抜群で、昨年以前であれば、藤浪のようなタイプのピッチャーは、梅野でないと厳しいものがありました。

キャッチャーの仕事は、「ピッチャーが投げたボールをキャッチする」ことが第一。

そのスキルは、なかなかわかりやすいデータとして表れてきにくいところではありますが、そういったところも含め、梅野だからこその安心感、として見ることもできるのです。

けいこ
けいこ
上の藤浪の暴投、全部拾ってますもんね。これはすごい…

【理由②】復調を待ちながらの粘り強い起用

私たちプロ野球ファンは、つい目の前の1試合1試合に、過度に熱くなってしまいますが、一方で2023年のプロ野球は、実に143試合を数えます。

ですので、短期的な勝ち負けも当然気にしないといけませんが、夏以降の佳境に向け、不調の選手を復調させていくことも、シーズンで「アレ」するためには必要なこと。

そのため、正捕手として高い実力と実績を持つ梅野を、何としても実戦の中で復活させたい、という思いもきっとあるのでは…と思ってしまいます。

なお、同様に不調の中でありながら、粘り強く起用されていたのが、阪神の若き主砲・佐藤輝。

こちらもクリーンナップでありながら一時は打率が1割台にまで落ち込む上、チャンスで同じようなパターンでの三振を繰り返すなど、明らかに打線のブレーキになっていました。

こうした流れの中、岡田監督は6月25に佐藤輝の二軍行きを決断します。

【理由③】「正捕手は梅野」宣言の影響?

思えば、岡田監督は、就任直後から、早々に「正捕手は梅野」と宣言をしていました。

開幕直後はこれが一定奏功していたように思います。

しかし、4月中旬くらいから、たまにスタメンマスクをかぶる坂本の調子が良いこと、そしてそれと相対するように梅野がスタメンの試合で勝てなくなっていくこと…

そして、交流戦以降は、梅野の先発マスクの機会が増えていきますが、それと反比例するように、阪神の成績は右肩下がりになっていく…

こういったことが、明らかになっていきました。

しかし、それでもなお、「正捕手・梅野」が覆ることがないとするならば、実はその理由は、案外、

「最初に言っちゃって、今さら後には引けないから」

とかいうレベルのものも、あったりするんじゃないかなあ…と、これは邪推ですが、思ってしまいます。

なぜトラ番記者は誰も「梅野より坂本」を聞かない?

ところで、今年の阪神タイガースを指揮する岡田監督は、連日インタビューの中で、日々の采配の意図や野球観について、独特の言葉で伝えてくれます。

しかし、このインタビューの中で、手練れの阪神タイガース担当記者・いわゆるトラ番記者は、誰も

なぜ梅野より坂本の方が成績がいいのに、梅野を先発で使い続けるんですか?

という質問をしてくれることは、ありません。

多くのファンが疑問に思っている、この梅野・坂本論争。

岡田監督の口から、直接考え方が示されれば、ファンも多少は理解し、納得するのでしょうが、岡田監督が自らこれを説明することがなければ、どの記者も、この「ファンなら誰もが思う、この疑問」を岡田監督に直接尋ねてくれないのです。

日刊スポーツ「虎だ虎だ虎になれ!」の高原寿夫編集委員

スポーツニッポン「内田雅也の追球」の内田雅也編集委員

サンケイスポーツ「虎のソナタ」の三木建次キャップ

皆、豊富な取材歴と野球観に基づき、わかりやすくて的確な記事を書いてくれる、素晴らしい記者ばかりです。

しかし、こういった、ベテランの名だたるトラ番記者たちですが、彼らの誰も、「梅野・坂本論争」について、岡田監督に聞きに行ってくれることをしないのです。

岡田監督が偉大すぎて、記者も物怖じして聞けないのか。あるいはトラ番記者たちがこの問題に気づいていないのか…

真実は誰にも分かりませんが、

記者の誰も「梅野・坂本論争」について、岡田監督に直接インタビューしない

という事実だけが、今、ここにあります。

7月、ついに岡田監督が梅野外しへ…

こうした状況の中、7月16日、ついに岡田監督が動きます。

この日の先発は伊藤将司。6月以降、梅野とのバッテリーを組んでいたピッチャーですが、スタメンマスクが坂本に代わるのです。

岡田監督は、この意図を、こう説明します。

 -今日は伊藤将に梅野ではなく坂本を組ませた。

「昨日、あまり、最後の方な。(梅野のリードが)ひどかったからやないか。それだけのことやろ」

これまで、かたくなに「正捕手・梅野」にこだわってきた岡田監督が、ついに梅野のリードへの課題意識に言及し、バッテリーの組み替えを断行したのです。

7月16日は中日バッテリーに完敗を喫しますが、翌17日も、これまで梅野とのバッテリーが続いていた西純矢の相棒に坂本を指名。

すると、西純矢は7回1失点の好投を見せ、試合も4−1で阪神の完勝。

この日の試合後インタビューでも、岡田監督は梅野への課題意識へ言及します。

 -この2試合は捕手坂本と決めていたと。

「初戦があんまりにも(中日打線が梅野に)合いすぎとったからよ。梅野にも言うたよ。昨日今日は最初から梅野、おまえ使えへんからって言うといたからな」

前半戦最後の試合を、バッテリー組み替えによって快勝したことは、後半戦に向け、非常に示唆に富む展開だったと言えるでしょう。

一方で後半戦は再び梅野、そして炎上…

このように、前半戦の最後、坂本を連続でスタメン起用したことによって、

ついに岡田監督は英断を下したか!

と、多くの阪神ファンが、ホッとしたものでしたが…

後半戦の開始に先立って行われた、7月21日の岡田監督インタビューは、度肝を抜かれるものでした。

 -前半戦の最後に坂本を使ったが捕手は。

「いやいや梅野やん。そんなん何を」

これまでのデータからおおむね予測できていたとおり、坂本が梅野に代わって結果を残した最終戦でしたが、岡田監督はそれを意に介することなく、

後半戦も正捕手は梅野

と宣言したのです。

そうして始まった7月22日、後半戦の初戦は、神宮球場のヤクルト戦。先発は青柳、そしてスタメンマスクは梅野でした。

青柳は前回登板で一定好投し、今後を期待させるものではありましたが…

この日も球数がかさみ、自身の牽制悪送球などもあって、早々に失点をしてしまいます。

とはいえ、それもまだ2失点で済んでいたので、その後に立て直せれば良かったのですが、ヤクルトの主砲・村上を相手に、梅野は強気のリードを繰り返します。

そして、梅野がミットを構えたところに繰り出された、高めのストレートは、「待ってました」とばかりに、村上にフルスイング

これが特大のホームランとなって、阪神の敗戦を決定づけてしまうのです。

梅野の、強気でワンパターンなリードが、相手打線に読まれて投手陣の大量失点を招くという、典型的な阪神の負けパターンだったと言えるでしょう。

8月、阪神10連勝の中、梅野が死球で今季絶望…

こうした「梅野・坂本論争」が続く中、阪神タイガースは、いわゆる「死のロード」の中にあって、10連勝を達成します。

この10連勝は、梅野も坂本も、これまでと同様に起用されている中で達成されています。

ですので、この期間中は、「梅野か坂本か」ということを気にしてもやもやすることなく、純粋な気持ちで阪神を応援することができていたのですが…

ここで、悲劇が起こります。

8月13日、京セラドームで行われたヤクルト戦。

5回一死の場面、ヤクルトは2番手ピッチャー、今野。対するバッターは、梅野だったのですが…

今野の投じた2球目が、梅野の左手首を直撃…デッドボールです。梅野はその場で倒れ込みます。

梅野は試合中に診察を受け、「左尺骨骨折」との診断を受けました。どうやら今季は絶望の模様。

梅野と坂本が、さまざまな論争を巻き起こしながら、何だかんだで切磋琢磨して勝ち星を重ねてきた、2023年シーズン

そのシーズンのさなか、正捕手論争の中心にいた梅野が骨折で戦線離脱とは…。

2人の正捕手争いが、今後どのように展開していくかも、2023年シーズンの見どころだっただけに、今回の負傷離脱は、残念でなりません。

どうか一刻も早い回復を、心から願っています。

けんた
けんた
一方で、今年については、梅野と坂本を併用していたからこそ、梅野の負傷離脱があっても、ある程度は対応できそうな面もありますよね。

まとめ

以上、ここまで、二番手捕手の坂本が絶好調であるにもかかわらず、梅野が正捕手としてスタメンで出続ける理由について、考察してきました。

データ上は明らかに坂本の方が優位で、また梅野スタメンの試合では先発が序盤にノックアウトされることも多く、加えて最近はリリーフ陣の炎上も多々見られる、最近の阪神タイガース。

しかし、長いシーズンを戦う上で、梅野のキャッチング技術と打撃力は、いつか必ず必要になる…そういう思いのもと、ここは我慢で、復調を待っているのでしょう。

そして、それだけの価値がある選手だからこそ、早々に「正捕手は梅野」宣言も出たのだろうと考えています。

一方で、ファン…特に現地に観戦に来てくれているファンは、やはり目先の1勝も欲しいところ。

そういったファンの勝利への渇望をないがしろにすると、あってはならないことですが、SNSなどでの誹謗中傷を誘発するおそれもあり、それもまた選手を苦しめることにつながります。

梅野の力、そして復活は信じていますが、一方で、目先の勝利もやはりファンとしては見たいところ。

この「梅野・坂本論争」、目下の阪神ファンの最大の関心事だったのですが…

8月13日、梅野がヤクルト・今野からデッドボールを受けて負傷し、今季絶望になったことによって、本論争は非常に後味が悪く、そしてはっきりとした答えの出ないまま、議論が終わってしまおうとしております。

梅野が戦線離脱した後、坂本がその穴を埋めきれるか。そして新たな捕手が見出されるのか。

阪神タイガースの正捕手論争、テーマを変えながら、引き続き注目していこうと思います。

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