★この記事で分かること★
- ディスクシステムとは何か
- ディスクシステムの名作ゲーム、代表作
- ディスクシステムのエラーメッセージがトラウマな理由
- ディスクシステムが衰退した理由
皆さん、こんにちは!けんた@ロスジェネ青春マガジン(@lost_gene_mag)です!
ファミコンブームの中で、忘れることのできないハードがあります。
それは、ファミリーコンピュータ・ディスクシステム。
ファミコンを拡張するシステムで、スーパーマリオ2や初代ゼルダの伝説など、さまざまなヒットゲームがここから生まれました。
本日は、ディスクシステムをこよなく愛した私が、ディスクシステムの魅力について、お話しさせていただこうと思います。
ディスクシステムとは何か
ディスクシステム。私たち世代にとっては説明不要なアイテムなのですが、ご存じない方もいらっしゃると思います。
そこで、まずはディスクシステムとは何なのか、お話しさせていただきます。
ファミコンからの進化点
ディスクシステムは、任天堂が開発したファミリーコンピュータ(ファミコン)の拡張機器です。
ファミコンといえば、「カセット」と通称されるゲームカートリッジを挿入してゲームを遊ぶハードでしたが、このディスクシステムは、カートリッジ挿入部分にアダプターを差し込んでディスクシステムと連結。
そして、ゲームソフトは、カートリッジではなく、「ディスクカード」という、フロッピーディスクのような黄色いディスクを使用することが特徴です。
このディスクカードは、当時のファミコンと比べて容量が大きかったため、大容量のゲームを制作できたこと。
また、磁気ディスクの特性を活かしたデータの書き込みでセーブ機能を付与できたことにより、これまでのファミコンにはなかった、発展的なゲームができるようになりました。
一方で、磁気ディスクの特徴である、データ読み出しの長さ、扱いの難しさ(磁力を発するものの近くに置けない)など、これらが弱点として指摘されていたのも、また事実です。
ディスクの書き換えで新しいゲームをプレイ!
ディスクシステムでは、多くの人気ゲームが発売されました。
ディスクカードをディスクシステムに挿入することで、新しいゲームをプレイすることができます。
また、ディスクシステムでは、ゲームショップ等に置かれている「ディスクライター」という機械を使うことで、ディスクの書き換えが可能です。
この「ディスクの書き換え」というのが、なんと、
今あるゲームを、全く別のゲームに書き換えてしまう
というもの。これもまた、磁気ディスクの強みを活かした面白いしくみです。
この書き換えに要する費用は、わずか500円でしたので、「500円で新しいゲームが買える」という点も、非常に画期的でした。
ディスクシステムの人気ゲーム
では次に、ディスクシステムを彩った、人気ゲームをいくつかご紹介させていただこうと思います。
伝説の初代「ゼルダの伝説」はディスクで登場!
ディスクシステムで最も人気のあるゲームの一つが、「ゼルダの伝説」です。
このゲームは、広大なフィールドを探索し、様々なアイテムを集めながら冒険するRPGです。
ディスクシステムの大容量を活かし、非常に広大なスケールでゲームが展開されたことに加え、セーブ機能を搭載することで、長い冒険を中断しながら進めることができるようになりました。
この「ゼルダの伝説」のすごさは、2023年の今もなお最新作がリリースされていることからも、よくお分かりいただけるのではないかと思います。
マリオ最高難易度!?「スーパーマリオブラザーズ2」
任天堂のゲームで、ゼルダと双璧をなすのがマリオ。
ディスクシステム版では、「スーパーマリオブラザーズ2」がリリースされました。
基本的には初代スーパーマリオブラザーズを踏襲しつつも、ステージの難易度をより高め、上級者向けに仕立てたゲームです。
その難易度の高さは随一で、今でも「マリオ最高難易度のゲーム」といえば、この「マリオ2」を挙げる人が多いほど。
後のマリオUSA!夢工場ドキドキパニック
夢工場ドキドキパニック。
この名前だけを聞いても、ピンと来る人はあまり多くありませんが、任天堂がフジテレビとコラボしてリリースした、横スクロールのアクションゲームです。
当時のフジテレビの企画「夢工場」とコラボする形で制作されたゲームで、当時は一過性のブームのひとつ、みたいな感じでしたが、後にこのゲーム、大きな注目を集めることとなります。
それは、キャラクターをマリオに差し替え、アメリカで「スーパーマリオ2」としてリリースされたため。
これが後に、日本に逆輸入され、「スーパーマリオUSA」となるのです。
ということで、今となってはおなじみの、ヘイホーやキャサリンといったキャラクターは、この「夢工場ドキドキパニック」が初出になるわけなんですね。
トラウマ?ディスクシステムのエラーメッセージ
ところで、このディスクシステムは、起動画面があるという、当時のゲーム機としては非常に珍しいものでした。
ディスクを入れない状態で電源を入れると、ニンテンドーのロゴが登場。
そして、この画面の下で、マリオとルイージが、電気のスイッチをオン・オフしながら追いかけっこするという映像を見ることができます。
しかし、それだけならまだ微笑ましいのですが…実はこの画面、一部の人にはトラウマを呼び起こすものとして知られています。
それはなぜか。
起動画面のエラーメッセージ画面が怖すぎる
からなんです。
真っ黒な、ある種のシュールさを持つ画面の前に座り、「さあ、これからゲームをするぞ!」とワクワクしながら待っている子どもに、突然襲いかかる、無機質なビープ音。
これが、子どもにとって、怖くないわけがありません。
私も子どものころ、このエラーメッセージが怖くて怖くてたまりませんでした。
ディスクシステムのエラーメッセージ一覧
エラーメッセージは、次のような内容となっています。当時の説明書に基づいて、説明させていただきます。
DISK SET ERR.01 | ディスクカードを正しくセットしてください。 |
---|---|
BATTERY ERR.02 | 電圧が弱くなっています。(新しい乾電池か、ACアダプタを取りつけてください) |
ERR.03 | ディスクカードのツメが折れています。ツメの所にテープを貼ってください。 |
ERR.04 | 違ったメーカーのディスクカードがセットされています。 |
ERR.05 | 違ったゲーム名のディスクカードがセットされています。 |
ERR.06 | 違ったバージョンのディスクカードがセットされています。 |
A.B.SIDE ERR.07 | A面・B面を確認して指示どおりセット。 |
ERR.08 | 違った順番のディスクカードがセットされています。 |
ERR.20 | 許諾画面のデータが読み取れない。 |
ERR.21,22 | ディスクカードの信号が最初から読み取れない。 |
ERR.23,24,25 | ディスクカードの信号が途中から読み取れない。 |
ERR.26 | ディスクカードに正しくSAVEできない。 |
ERR.27 | ディスクカードのデータが少しおかしくなった。 |
ERR.28,29 | ディスクカードの信号とコンピュータの仕事の速度が合わない。 |
ERR.30 | ディスクカードにSAVEできる残りの部分がない。 |
ERR.31 | ディスクカードのデータ数が実際と合わない。 |
エラー8まではこちらの不手際によるものなので良いのですが、エラー20以降は、正直、素人には何を言っているか分からない内容です。
なので、ディスク20以降のエラーについては、最寄りの任天堂に相談することが求められていました。
ディスクシステムの衰退
このようなディスクシステムですが、実はその人気は一時的なもので、比較的早期に衰退していってしまいます。それはなぜなのでしょうか…。
ファミコンカセットの性能向上
ディスクシステムの強みは、「大容量」「セーブ機能の実装」でした。
しかし、後にファミコンカセットの方も大容量化が進んだ上、リチウム電池を搭載することでバッテリーバックアップ機能を実装するカセットも増えてきます。
拡張機器であるディスクシステムの強みが、拡張前のファミコンでも実現できるようになってしまうと、ディスクシステムを使う理由が全く無くなってしまいます。
磁気ディスクの弱点をクリアできない
加えて、磁気ディスクの弱点である
- ロード時間の長さ
- 扱いの繊細さ
といった点が、ファミコンカセットの性能向上とともに、見過ごせなくなってきます。
これもまた、ディスクシステムからファミコンカセットへの回帰を促す、大きな要因となりました。
スーファミの登場がさらなる追い打ちに
さらには、1990年、スーパーファミコンの登場により、ファミコンディスクシステムはさらにピンチに立たされます。
ただでさえ性能が向上したROMカートリッジに、より高性能なグラフィックや音楽を搭載した上位機種であるスーパーファミコンの登場で、いよいよディスクシステムは、性能面で全く太刀打ちできなくなってしまうのです。
まとめ
以上、今回の記事では、ファミリーコンピュータ・ディスクシステムについて詳しく解説しました。
ファミコンからの進化点や人気ゲーム、エラーメッセージの思い出、さらには衰退に至るまでの背景など、様々な情報に、思いを馳せてみた次第です。
振り返って見ると、日本のゲームの歴史において、ディスクシステムの評価は、「一時的なブーム」に過ぎないのかもしれません。
しかし、その「一時的なブーム」の間に、初代ゼルダの伝説をはじめ、さまざまなヒットゲームをリリースし、後世につながるゲームを残すという役割は、しっかりと果たしていきました。
少し使い勝手の悪い面もありましたが、そういった点も含めて、思い出として愛せる。そんなディスクシステムのこと、これからも、語り継いでいきたいと思います!